国内のソーシャルTVアプリ事情− tuneTV 1周年を振り返る

こんにちは、 @rikanakayama です。
この夏は海外だけでなく国内でもソーシャルTV系のアプリがリリースラッシュでしたね(*´ο`*)=3

そんな新顔のソーシャルTVアプリがあふれるなか、リリース後1周年を迎えすでに老舗感さえ漂うtuneTVをいつもご愛用いただいているユーザーの皆様、ほんとうにありがとうございます。
とはいえ、そんな tuneTVユーザーの皆さんに甘えているわけにはいかないので、この秋には tuneTVもリニューアルの予定です。ちょっと期待してお待ちください。

さて今回の記事は、リリース後1周年でリニューアルの節目を迎える tuneTV にフォーカスしてみました。とくに tuneTV をとりまく外部環境も踏まえつつ、なぜ今のtuneTVの形になったのかについても、ふりかえりつつまとめてみたいと思います。

tuneTV_screenshot1
※バルス祭りの時のtuneTV。なんと、裏のフジテレビが互角(!?)

【1】USのソーシャルTVアプリの踏襲をしなかった理由

tuneTVのプロジェクトが立ち上がったのは2011年の始め、ちょうどYahoo.com がIntoNow を買収してUSではソーシャルTVアプリがキテいるらしいと話題になってた頃でした。それならばぜひ参考にしよう…と IntoNow をはじめとする GetGlue miso などの海外アプリもひととおり調査したのですが、結論として tuneTVはそれらのアプリのコンセプトを踏襲ないことに決めました。

まず、USのソーシャルTV系アプリは、番組に対するユーザーのチェックイン履歴やレビュー投稿を番組単位で集約していくことによってひとつひとつの番組のマスターデータをリッチにしていく方向に進化しているように見えました。また、ユーザー同士のコミュニケーション機能はあっても、それはテレビを見ながらのコミュニケーションがメインではなく、視聴後のレビューを共有するために使われることが主流です。例えるならamazonや価格コム、ECナビのようなレビューサービスの動画コンテンツ版…ユーザーと番組をマッチングさせるサービスという印象です。

USでは一度オンエアされた番組は様々なチャンネルを通して再放送やオンデマンドで何度も視聴の機会が巡ってきます。視聴者は常に大量の番組の選択肢を提示されているので、最適な番組を選ぶための情報に価値があるのだと思われます。同時にコンテンツホルダー側にも、ヘッドにもロングテールにもなりうる膨大な番組の中から自番組を探し出してもらう必要があるはずなので、両者のマッチングによるてマネタイズのポテンシャルもありそうです(実際にUSのamazon.comは動画コンンテンツも取り扱ってるしね)。

一方の日本では、テレビ番組はオンエアされたタイミングで一期一会であるのが普通で、番組コンテンツが流通するエコシステムは成立していません。仮に GetGlue や miso のようなレビュー型のサービスを提供できたとしても、それらのDBを元にレコメンドできるのは既にオンエアが終了して巡り会うことのない番組ということになります(実際には情報の利用に制約が多すぎて実現のハードルは高いですが…はい、ハンパなく高いのですが)。よってこの方向性のサービスは現時点ではビジネスとしてもサービスとしても成立しないだろうという結論に至ったのです。


※8/5/2011にリリースした初期バージョンの tuneTV。上部のステータスバーがグレーでフォントサイズも小さめ。

 

【2】リアルタイム視聴にフォーカスする理由

①番組コンテンツの流通システム
…という具合に、日本では番組コンテンツが一期一会なので指定の時間にテレビの前で待機して、お目当ての番組の放送を待つことに抵抗がありません。(どうしても見たい番組がある日はその時間までに帰宅するでしょ?)厳密には録画という手段もあるけれどリアルタイムの放送時間に事前セットする必要があるしスタンダードじゃない。DVDが出るまでは待てないし、忘れた頃にひっそりとオンエアされる再放送はあてにできない…結局見たい番組はリアルタイムで視聴するのがスタンダードなんです(正確には、USとの相対的な意味において)。
余談ですが、日本は世界的にも録画カルチャーが普及している国だと言われますが、それもこの”番組コンテンツの一期一会感覚”に起因するのではないでしょうか。

ちなみに、デジタルネイティブ世代は既にネット的というか…オンデマンド志向なので、時間の制約があるリアルタイム視聴から離れていると言われます(それでもニコ生やyoutubeで相変わらずTV的なコンテンツを視聴しているようなので、コンテンツ獲得手段を選ぶようになったということでしょう)。こんなふうに視聴者がオンデマンドを志向するなか、ユーザーニーズとサービスのギャップが埋められていないことが、ネガティブな意味で日本のリアルタイム視聴習慣を延命させているんでしょうね…。

この二者間ギャップを埋めることができるのは、コンテンツの流通を握るTV局なのか、TVのハード側の機能で解決しようとしているスマートTVのメーカーなのか、テクノロジーで解決をしようとするIT系なのか、もしくは海外のプレイヤーなのか…という話もぜひ議論したいところなのですが、あまりに深くて重いので別の機会にとっておきます(…実は書きかけたのですが、長くなりそうだったのでカットしましたw)。

いずれにしても、現時点では日本のTVはリアルタイム視聴がスタンダードなのです。今後変わる可能性があるとしてもね。


※年末にバージョンアップしたtuneTV。左上のマークを押して番組リストをチェックできるようになりました。

②チャンネル数
前回記事( https://genesixdev.wordpress.com/2012/06/30/socialtvapp2/ )でも触れましたが、USの一般家庭では、衛星放送やケーブルテレビを通して100や200ものチャンネルを視聴しているのが普通です。ということはリアルタイムで視聴している番組が細分化するので、日本のようにオンエア中のTV番組がみんなの共通話題になりにくい環境なのです。(実は中国もUSに近い多チャンネル文化)。
一方、日本ではチャンネル数が最も多い首都圏でも全7チャンネル。視聴者は7つの選択肢のなかから視聴する番組を選ぶだけなので、ソーシャルでつながる視聴者同士がリアルタイムで同じ番組を見ている可能性が高く、tuneTVのようなリアルタイムで視聴者をつなぐサービスが成立しやすいのです。

③国内時差
tuneTVがリアルタイム視聴型のソーシャルテレビサービスを志向する理由その3。これも海外との相対比になりますが、日本には国内時差が存在しない分、USよりもリアルタイム視聴に適しているのです。日本人ならひとつの国にはひとつのタイムゾーン(標準時刻)が当たり前だと思いがちですが、例えばUSには国内に4つのタイムゾーンが存在します。同じ時間にオンエアされる番組も、タイムゾーンが異なると最大3時間の時差が発生するのです。これが全米規模のテレビ番組同時視聴の大きなハードルになっているらしいのです。

 

【3】目指すのは普段使いのサービス

先日「ソーシャルテレビ推進会議」発で、日本国内のiPhoneユーザーを対象としたソーシャルTV利用に関する調査結果を発表しました。それによるとテレビを見ながらソーシャルメディアでつぶやく番組ジャンルのトップ4は、(1)バラエティ、(2)スポーツ、(3)ドラマ、4)ニュース/天気、でした(調査の詳細はこちら)。日本人は日常のテレビ番組を観ながらソーシャルメディア上のコミュニケーションを楽しんでいるという結果に。すこし意外じゃないですか?

というのも、US発のソーシャルテレビ関連の報道記事を読んでいると、そのほとんどがスーパーボールやオリンピックなどの国際的なビッグイベント時にtwitterやfacebookが盛り上がっている…という内容がメインです。これらを読んでいると、ソーシャルテレビ的なサービスのニーズは、特別なイベントとは親和性が高いけれど、日常的なニーズはないように思われます。でもこれらは単に、USでは日常的にTV番組をリアルタイム視聴する機会が少ないだけと推測することもできます。理由は上記の①〜③であげたとおりです。

ソーシャルTV推進会議 ソーシャルTVアプリ調査レポート
※上図クリックで拡大表示になります。
※上記のファイルの元データ(PDF)はこちらでDLできます。
ということで、日米のTV視聴を取り巻く環境の違いなども考慮すると、USと日本では必要とされるサービスも異なって当然。リアルタイム視聴天国(?)である日本のマーケットだからこそ、tuneTV が普段使いのソーシャルTVサービスとして普及するポテンシャルがあると思うのです。

もちろんTVの視聴環境も時代とともに変化していくのは間違いないので(しかもその変化は高速でやってくるはず!)、tuneTVのコンセプトもユーザーのニーズにあわせて柔軟に変化することでしょう。今のコンセプトが不変ということはなく、あくまで現状の視聴者のライフスタイルに合わせた結果が、今のtuneTVなのです。
そして、TVの視聴習慣が変化すれば、tuneTVも甲斐性なくw 変わっていくことと思います。
そういう意味ではこれからの変化も興味深く見守っていただけたら幸いです。

まずは秋のリニューアルでバージョンアップするtuneTVを楽しみにお待ちください(๑´ڡ`๑)

■tuneTV for iPhone
http://itunes.apple.com/jp/app/id448518322?mt=8

■tuneTV for Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.genesix.android.tunetv
今のテレビ業界っていろいろな意味で面白い。
変化の渦中にあって、さまざまなプレイヤーがビジネスのきっかけを探して参入してきている。
不安定さと、何らかの化学反応が起きそうなワクワク感が素敵!

About rikanakayama
2002年株式会社サイバーエージェントへ入社。新規事業企画や開発を経験。その後、当時のグループ会社である株式会社VOYAGE GROUPへ異動。人事本部長として、新卒・中途採用全般、評価制度のリニューアル、育成制度の企画・運用を担当。ECナビ事業部の事業本部長を経て、同社の戦略事業として立ち上がったスマートフォンアプリ事業のプロデューサーとして参加。2014年1月、楽天グループマーケティング部に入社。マーケティングソリューション室の室長として各広告グループトータルのマーケティング効果の最大化に注力。2015年3月より同部署の副部長・室長を兼務。パワーママプロジェクトが実施した「ワーママオブザイヤー2014」に選出。

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