海外のソーシャルテレビ事情(2)−音声認識するアプリ

今日はrejectではなく、ソーシャルテレビのことを話題にピックアップしてみます。tuneTVの大幅バージョンアップを控えているので、近頃は夢に出てくるほどソーシャルテレビのことばかり考えている@rikanakayama です。

さっそくですが、とある海外のブログで、
USのソーシャルテレビの機能を分類していたので紹介します。

http://www.edgeofdigitalculture.com/2012/03/01/hows-this-for-complexity-the-social-tv-ecosystem/

socialtv ecosystem

Social TV ecosystem (Social TV Category US)

表をクリックで元記事にジャンプします。

さて、この分類のなかにも”Contents Recognition”という機能がピックアップされていますが、USのソーシャルテレビ界隈ではこの、”音声認識あるいは画像認識で視聴している番組を判定してチェックインさせる”アプリがちょいちょい話題になります。日本ではあまり例がないですがこの日米の違いは何なのか…考える機会があったので今日はそれをテーマに書いてみます。

ちなみに、音声認識型のアプリとしては、以前「海外のソーシャルテレビアプリ事情」というPOSTでも紹介した通り、Yahooが買収したIntoNowやShazam が有名ですが、それ以外にも音を聴くアプリがいくつか存在します。

※といってもほとんどが日本のマーケットではダウンロードできません、あしからず。



なぜUSでは音声認識なの?

ここからは考察ですが、日本では事例がない「音声認識機能」がUSで普及するのには、こんな理由があるんじゃないかと考えています。
米国の一般家庭では、視聴できるチャンネル数・番組数が日本とは違って多い→米国は多チャンネル文化です。
米国ではケーブルテレビや衛星放送、IPTVなどの有料放送の普及率が高く、日本のケーブルテレビとは地位が違います。それらの有料放送が提供するチャンネルは平均でも100チャンネル以上、多いと200−500になります。
その上、ひとつの番組が系列の枠をこえて複数チャンネルで再放送されたり、VODサービスが普及していたりで、チェックイン対象となる番組のボリュームが日本のそれとは桁が違います(あ、桁が違うって言いましたが数えていません…誰か数字知ってたら教えて)。
番組コンテンツのヘッドもロングテールも含めて膨大な数の番組がチェックインの対象になるのだから、番組の自動認識機能が求められるのは自然の成り行きだと思われます。


(上図)ケーブルテレビのチャンネル数がどのぐらいあるのか上図を参考にされたし。この画面はYap.TVというソーシャルテレビアプリの設定画面。番組のプロバイダーを「タイムワーナーケーブルテレビジョン」に設定すると、チャンネル一覧にデフォルトで141チャンネルも表示される。ロスでタイムワーナーのケーブルテレビと契約した人は141ものチャンネルが視聴可能。ケーブルの他に衛星放送やIPTVのサービスでも軒並み数百のチャンネルが提供されている。これは多いっすわ……

ということで、米国では音声認識が必要な理由があるからこその音声認識機能であって、チャンネル数が少ない日本では”あったら便利”には違いないですが、米国ほどその必要性は無いのかなと個人的には思ったりします。


ところがその一方で、最近ちょっと毛色の違う音声認識アプリがリリースされていることを知って、音声認識の可能性って広いんだなあと、ふたたび注目しているところでもあったりします。


リワードサービスの不正を予防するためにも使える音声認識

Viggleというセカンドスクリーンアプリ、あまりメジャーではありませんが、ソーシャルテレビの関係者ならご存知かもしれませんね。
これは、番組を視聴するとポイントが貯まり、溜まったポイントで商品券やプレゼントと交換ができる、いわゆるリワードサービスアプリです。(日本では「ポイントサービス」と総称されることが多いかも)。



このアプリの機能はシンプルです。

  1. アプリを起動する
  2. ポイント付与の対象番組の一覧が表示される
  3. 見たい番組(視聴可能な)を選択する
  4. テレビの音声をアプリに聞かせる
  5. チェックイン認証するとポイントが付与される
  6. ポイントが一定量たまるとamazonギフト券などに交換できる−GOAL!

もちろん、チェックインしたことをソーシャルネットワークに投稿したり、レビューを書いたりすることも可能ですが、このアプリのコア機能はリワードサービスにあるようです。Shazamのテレビチェックインサービスとも似ていますが、こちらの方がコンセプトがシンプル。

Viggleのリワードサービスは、スポンサーのテレビ番組やCMを視聴してチェックインするともれなく報酬(ポイント)をもらえるサービスなので、番組を見ないで不正にチェックインされることは極力避けたいはず。その解決方法のひとつとして、音声照合することによって該当の番組やCMへのチェックインの精度を上げているというわけです。


それにしても、テレビ番組やCMへのチェックインでリワードサービスを展開するとは…新しくて古いというか古くて新しいというか…古典的サービスモデルに新しいテクノロジーを掛け合わせた面白い例ですよね。ポイントとコンテンツチェックインの融合だなんて、どちらも経験があるので個人的には興味深すぎます。(いま広告代理店とコラボでやったら面白そうなサービス思いついたしw。)


というわけで、最近は米国だけでなく日本でも新規のソーシャルアプリがリリースされ、さまざまな新機能がお披露目されるわけですが、国によってアプリの進化する方向はちょっと違うように見えます。それらの進化の背景を調べてみると、ご当地ならではのカルチャーや商習慣が求めた結果=ソリューションとしての「この機能」なんだなということをしみじみ思うのです。


ソーシャルテレビというジャンルに限った話ではなく、サービスを創る上での普遍的なセオリーではありますが、あらゆる分野でグローバル化は進んでも、ローカルな事情を考慮しないことには本当に必要とされるサービスは創れない。海外のトレンドは興味深いけれど、その情報に振り回されることなくかつアンテナは張っておかなきゃなと。


ちなみにソーシャルテレビの日米の違いでいうと、なぜ日本はリアルタイム志向でUSはデータベース志向なのかという点についても思うところあって書きたいと思っています。…が、長くなるのでそれは次回にでも。

落ちのない終わり方で恐縮ですがw、今日はこのへんで♪

*文中の事実に間違い、またはご意見などがあればブログコメント通じてでもtwitterでも結構ですのでご指摘ください。

About rikanakayama
2002年株式会社サイバーエージェントへ入社。新規事業企画や開発を経験。その後、当時のグループ会社である株式会社VOYAGE GROUPへ異動。人事本部長として、新卒・中途採用全般、評価制度のリニューアル、育成制度の企画・運用を担当。ECナビ事業部の事業本部長を経て、同社の戦略事業として立ち上がったスマートフォンアプリ事業のプロデューサーとして参加。2014年1月、楽天グループマーケティング部に入社。マーケティングソリューション室の室長として各広告グループトータルのマーケティング効果の最大化に注力。2015年3月より同部署の副部長・室長を兼務。パワーママプロジェクトが実施した「ワーママオブザイヤー2014」に選出。

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